【身体作りを学ぶろぐ】です。



昨日のブログでTABATAプロトコルという言葉を使いましたが、


読者の皆さんはご存知でしょうか?



TABATAプロトコルというのはトレーニングメソッドの一つでして、

立命館大学の田畑泉教授が、スピードスケート選手のトレーニングを科学的に検証したところ、とんでもない効果があるとして、

このトレーニングが海外で爆発的にヒットしたことからアルファベットで「TABATA」とよばれるようになりました。
(正式名称はHi Intensity Intermittent Training:HIIT)


いわゆる“逆輸入トレーニング”メソッドです。


やり方を簡単に言うと、

20秒のほぼ全力運動を10秒の休息を挟みながら6~7セット行うというものです。



しかし、このとんでもない効果というのが研究と現場で大きく取り違えられている事実があります。



「タバタ式ダイエット」という言葉を聞いたことはありませんか?


多くのフィットネス現場ではTABATAプロトコルはダイエットメソッドとして広まっています。


これは明らかな誤解です!!


今回はTABATAプロトコルの本当の効果とダイエット効果の有無について考察したいと思います。




【TABATAの本当の効果はパフォーマンス向上】



TABATAプロトコルのとんでもない効果の真相はダイエット効果ではありません。


短期間で無酸素性と有酸素性、両方のエネルギー供給能力を向上させることができるのがTABATAの本当の効果です。


持久力の科学的な指標として最大酸素摂取量があることを以前ブログでお話ししました。
(関連記事:【持久力は何で決まる??】)


最大酸素摂取量が持久力のすべてなわけではありませんが、有酸素性運動能力が高い人のほとんどはこの機能が優れているのは事実です。


加えて無酸素性運動能力の指標には酸素借というのがあります。



これは呼吸から取り入れる酸素だけでは賄いきれないエネルギーを、筋肉中にあるグリコーゲンからどれだけ「借金して」エネルギーを作る能力があるかという指標です。


この要領が多いほど、高強度の運動を継続させられる能力が高いということになります(闇金取引のプロといったところでしょうかw)



これまで、酸素借と最大酸素摂取量は対極にある運動能力なので、双方を効率よく鍛えることは困難と考えられていました。


加えて、

最大酸素摂取量は持久走のように低・中強度かつ長期間のトレーニングでないと向上しないといわれてきました。



ところが、

田畑泉教授が行った実験では、


この20秒運動/10休息6~8セット(合計3~4分程度)の運動を週2~3回、約3~6週間行うことで、酸素借と最大酸素摂取量の両方を有意に向上させることが明らかになったのです。


この報告がこれまでのトレーニングの常識を覆した画期的なトレーニングメソッドだとして話題を呼んだのです。




【脂肪燃焼効果は証明されていない!】



このTABATAプロトコルがどういうわけか、


「脂肪燃焼に抜群の効果があります!」

とか

「たった4分で1時間の運動と同じだけのカロリーを消費できます!!」

とか


ダイエット効果をうたうトレーニングメソッドとして現場で広まっています。


研究報告をした田畑氏は自身の著者において

「TABATAに脂肪燃焼効果があるというエビデンスはありません」

ということを豪語しています。
(参考:タバタ式トレーニング/田畑泉氏より)



おそらく海外で報告が出回り、世間に知られる中で、フィットネス大国のアメリカが「これダイエットにいいんじゃね!?」的な感じで広まってしまったんじゃないでしょうか?


TABATAの脂肪燃焼やダイエット効果について検証した研究も何度か行われているようですが、

未だそのような効果をエビデンスとして報告している研究は見ていません。



【科学的に~だからといって鵜呑みにしてはいけない!】 



おそらくこの事情を知らない一般のフィットネス愛好家は

「教授が効果あるっていってるんだからすごいんだ!」

と食いついてダイエット効果を期待してしまうでしょう。


最近のダイエットや健康に関する情報で、

「科学的に痩せるトレーニング」だとか「〇〇教授が効果を認めた健康法」

のように科学的的根拠をセールストークに使う傾向が目立つように感じます。


これはその情報が確かであれば本当にいいものなんでしょうが、

いくら科学的というのがついたからといって、それが効果的なんだと鵜呑みにしてしまうのは危険です。


今回のTABATAプロトコルのように、実験で言われたことと効果がまるで違こともありますし、確かにそういった効果があるとわかったものでも、それが人間以外の他の動物で実証されたことだったり、一般じゃそうそうできない運動や条件で効果が出るといったものも多くあります。


情報があふれる今の時代、科学的なものであれ正しく解釈する必要があると考えられます。


そこに関しては自分も肝に銘じておかなければいけませんが。